夕霧米作付中止のお知らせ

お客様各位
                                          2011年5月22日
                                MOC農業研修所いいたてふぁーむ
                                伊藤 延由・小暮 俊和
                                沼平農場
                                沼 惇
拝啓
既にお聞き及びと存じますが、飯舘村はこの度の福島第1原発事故による放射能汚染により計画的避難地域に指定され、この5月末をもって村民全員避難することになりました。 従いまして、全ての農作業も中止となり、夕霧米の作付も放棄せざるを得ない事態となりました。皆様のご期待に沿うことが出来ず極めて残念ではありますが、今秋の夕霧米をお届け出来なくなりましたことを御連絡申し上げます。

私共は昨年の実績と反省を踏まえ今年は下記の様な事業計画を立てて着々と準備中でした。

  1. 夕霧米供給量拡大を目指して今年の作付面積2町2反を6町歩と約3倍に拡大することで農業委員会の許可も取得しておりました。 田の整備、種もみの手配も完了しました。今年度は、あきたこまち、こしひかりに加え、もち米と古代米を少量作付する品種の増加策、有機米への挑戦や昨年度実施した減農薬、減化学肥料(Less Chemical)の強化を予定しておりました。
  2. 近隣農家の夕霧米コンソーシアムへの参加も3戸増加するはずでした。
  3. 3月の飯舘村全域への光ファイバー完工に合わせた電子商取引計画(震災の影響で工事が中断されました)と年間予約制、会員制、田オーナー制の導入。
  4. 昨秋ご好評頂きました当地特産品の野生日本蜜蜂の蜂蜜販売。
  5. 野菜等の作付強化と山菜の収穫強化。
  6. 農業研修所を活用した各種研修事業。

上述の様に意欲的に日本の農業の再生に挑戦する所存でありましたが、今回の放射能汚染で全てが水泡に帰しました事は断腸の極みであります。現状ではいつ避難が解除となり安全な農業を再開出来るか見通しが立っておりません。
嘆いてばかりでは能がありませんので、貧者の一灯よろしく一部の田を利用して、土壌サンプルの取得、土壌改良剤投入あるいは水張りを利用した放射能除染の試み、あるいは稲の放射能吸収を測定する為の実験的栽培等を実行しておりますことも申し添えします。

最後に食の安全、農業の再生、山村の景観保全とそしてその活性化に貢献するものであればと願う素人集団に対しまして皆様方より温かいご支援、ご鞭撻を賜りましたこと心から御礼申し上げます。

尚、避難後の連絡先は下記の通りです。
  エム・オー・シー農業研修所いいたてふぁーむ
   E-mail:iitate-farm@mocweb.co.jp
   電 話:03-3836-6511
  沼平 沼農場
   E-mail:anuma@jcom.home.ne.jp
   電 話:Mobile Phone:080-6787-1492
                                                   敬具


追伸:
22年度産米の年間購入をご予約を頂きましたお客様のお米は、鋼鉄製コンテナーの保冷庫に保管し安全を期しております、8月末発送分まではこれまで通り対応させて頂きますのでご安心下さい。